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毎週月曜日更新 証券市場の焦点 日々の時事ニュースをとりあげ、経済・証券をテーマに、毎週月曜日にコラムをお届けします。

[更新日:2009年8月 3日]

SECの権限と監視の強化 

 お早うございます。大和総研の吉川満です。

 今週のテーマは、「米国政府、信用格付機関改革法案を議会に提出」と設定致します。本日はその第一回目として、「SECの権限と監視の強化」と題してお話いたします。
 7月21日、米国政府は、米国議会に対し、「信用格付機関改正法案」を提出致しました。法案の概要は米国財務省のウェブサイトで公開されています(※)。ウェブサイトでは法案の概要は5つの章に分けて纏められています。各章の項目は次の五つです。
・利益相反(五節からなる。)
・透明性と開示(三節からなる。)
・SECの権限と監視の強化(三節からなる。)
・格付機関への依存度の低下(三節からなる。)
・格付機関に対するSECの措置を強力に支持(三節からなる。)
以上見た通り、他の章は全て三節で構成されているのですが、最初の「利益相反」の章だけは全部で5つの節から構成されていて、内容的にもこの部分に力点が置かれていることが、推測できるようになっています。
今週はこの、「米国の信用格付機関改革法案」をテーマにお話をするわけですが、順番は若干崩して、本日は「SECの権限と監視の強化」の章から、説明させていただき、明日以降はそれ以外の部分を、初めから順にお話して行きたいと考えています。「SECの権限と監視の強化」というのは、3番目の章にあたりますが、これは全体にかかって来る内容なので、先に紹介させていただきます。
 「信用格付機関改正法案」の米国財務省の要約の3番目の章、「SECの権限と監視の強化」の内容は次のようになります。

格付機関監督の為の専門の局を設立する:財務省の改正法案はSEC内部に格付機関の監督を強化し、必要とされる強化した規制を実行するための専門の局の新設を規定している。
登録の強制化:現在の任意登録システムとは異なり、財務省の改正法案は全信用格付機関に対して、登録を義務付けることを想定している。このことは、全信用格付機関を強化した規制システムの下に置くことを意味する。
SECによる内部統制(及びプロセス)検査:SECはそれぞれの格付機関に対し、格付決定の為の政策と手続きの文書化を要求する。SECは全ての格付機関に関して、その政策と一般開示を遵守していることを確認し、内部統制、デユー・ディリジェンス、及び格付の方法の実施を検査する。」

以上が、「SECの権限と監視の強化」の内容になります。
このように、SECは、格付機関監督の為の対応を充実させ、格付機関の登録を義務付け、格付に伴う内部統制の検査も厳しくします。このことにより、投資家がきちんとした情報に基づいて、責任ある投資決定を行える体制を整えようというのです。

 (※)7月21日の米国財務省のリリース (http://www.ustreas.gov/press/releases/tg223.htm

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ライタープロフィール
吉川 満 吉川 満
(大和総研 調査本部 常務理事)
1979年、東京大学法学部卒業、大和証券入社。1981〜1987年、アメリカ大和証券(NY)で調査担当。1987年、大和総研経済調査部制度調査室。1997年制度調査室長に就任。
2003年6月、参与に就任。2006年4月大和総研執行役員に就任。2007年4月大和総研常務理事に就任。
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